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米沢牛の豆知識

米沢牛の特長

米沢牛のふるさと、置賜（おきたま）地方は山形県の南部に位置し、四方を朝日、飯豊、吾妻、奥羽の山々に囲まれた置賜盆地にあります。

雪に覆われる極寒の冬と、湿度が高い暑い夏。

寒暖差の激しい大自然のふもとで、愛情深い生産者に手塩にかけて育てられた米沢牛は、健康的で栄養価の高い良質な肉牛となります。

その霜降りのきめ細やかさは絶品で、まさに口の中でとろけるような味わい。

現在、和牛肉「米沢牛」は屈指のブランド牛として全国的に評価されていますが、地元で消費されているのも米沢牛の特長。

県内には米沢牛を専門に取り扱うお肉屋さんや料理店がたくさんあり、本場ならではの食文化を継承しています。

米沢牛銘柄推進協議会では下記の条件をすべて満たしたものを米沢牛と認めて、枝肉に証明印を押印します。

1. 飼育者は、置賜三市五町（置賜管内の三市五町：米沢市、南陽市、長井市、高畠町、川西町、飯豊町、白鷹町、小国町）に居住し米沢牛銘柄推進協議会が認定した者で、登録された牛舎での飼育期間が最も長いものとする。

2. 肉牛の種類は、黒毛和種の未経産雌牛とする。

3. 米沢牛枝肉市場若しくは東京食肉中央卸売市場に上場されたもの又は米沢市食肉センターでと畜され、公益社団法人日本食肉格付協会の格付けを受けた枝肉とする。
但し、米沢牛銘柄推進協議会長が認めた共進会、共励会又は研究会に地区を代表して出品したものも同等の扱いとする。
また、輸出用は米沢牛銘柄推進協議会が認めたと畜場とする。

4. 生後月齢32ヶ月以上のもので公益社団法人日本食肉格付協会が定める3等級以上の外観並びに肉質及び脂質が優れている枝肉とする。

5. 山形県の放射性物質全頭検査において放射性物質が｢不検出（定量下限値 25Bq/kg｣）であるものとする。

こうした厳しい条件をクリアした肉牛だけに上杉謙信公の旗印である毘沙門天の「毘」の一文字を印した「米沢牛購買証明書」が付与されるのです。

米沢牛の歴史

「米沢牛」の歴史は文明開化で賑わう明治初期、ひとりのイギリス人教師が雪深い里、山形県米沢の地を訪れたことから、その一歩が始まりました。

その男の名は、かつての米沢藩の藩学だった学校「興譲館」の洋学舎で明治4年（1871年）から英語教師として教鞭を執ったチャールズ・ヘンリー・ダラス氏。

当時、米沢では「四つ足の動物は食べない」とされていましたが、故郷・イギリスの食肉の恋しさのあまりに米沢牛を食したところ、あまりの美味に感動したそう。

ダラス氏はその後、明治8年（1875年）に任期を終えて米沢を離れる際、一頭の米沢牛を横浜に連れて帰りました。

横浜の居留地で彼が英国人仲間に米沢牛の美味しさを褒め讃えるうちに、米沢牛の評判が全国に広まっていったそうです。

米沢牛の豆知識

チャールズ・ヘンリー・ダラス氏が教鞭を執った「興譲館」は米沢藩の中興の祖、上杉鷹山（治憲）が安永5年（1776年）に創設した藩校。

当時の藩政の危機を救った「為せばなる　為さねば成らぬ何事も　為さぬは人の　為さぬなりけり」（どんな困難でも強い意志をもって挑めば成就する、の意）という鷹山の歌に込められた精神は、現在の山形県立米沢興譲館高等学校にも継承されています。

参考サイト：
・米沢牛銘柄推進協議会）
http://www.yonezawagyu.jp/

・山形県立米沢興譲館高等学校沿革）
http://www.yonezawakojokan-h.ed.jp/about_kj/kj_history.html

・4米沢日経デジタル　チャールズ・ヘンリー・ダラス）
http://www.yonezawa-np.jp/html/museum/11dalls.html

・米沢観光NAVI
http://www.yonezawa-kankou-navi.com/person/yozan.html

参考図書：
・「和牛道極上を味わう!!」みかなぎりか（株式会社扶桑社、2008年）
http://www.kobe-niku.jp/top.html