東西で違う「すき焼き」のスタイル
寒い季節のご馳走といえば「すき焼き」。忘年会や新年会などの冬場の目玉景品として幹事さん御用達の景品です。
ところですき焼きって焼いたり、煮たり・・・。出身地によって食文化に違いがあることをご存知でしたか?
SUKIYAKIは日本の代名詞
戦後の高度成長期の1960年代、歌手の坂本九さんが歌った「上を向いて歩こう」が世界的にヒットしました。
日本を代表する流行歌の英語タイトルが「SUKIYAKI」。
富士山でも寿司でもなく、「すき焼き」と名付けられたのは興味深いですね。
きっと当時から現代と変わらず、世界的に通用する、日本料理を代表するご馳走だったのではないしょうか。
ところですき焼きのスタイルとして、「焼く関西」「煮る関東」と、食文化に違いがあるのはなぜでしょう?
すき焼きの語源
もともと「すき焼き」は、農民が農具の鋤(すき)の上で肉を焼いて食べたのが語源だといわれています。
江戸時代まで肉食を禁じられていた日本ですが、働けなくなった役牛を農家で食したのが「すき焼き」の始まりだといわれています。
幕末には京都の三条河原にすき焼き屋が誕生し、牛肉を鉄の鍋で焼くスタイルの「すき焼き」が関西では定着しました。
いっぽう関東では明治の文明開化とともに、サイコロ状の牛肉と具材を割り下で煮詰める「牛鍋」が大流行。
しかし1923年の関東大震災により、ほとんどの牛鍋屋が倒壊しました。
その後に広まってきた「すき焼き」が、鍋のように煮るスタイルになったのは、「牛鍋」の名残りだといわれています。
「煮ても焼いても食える」のが和牛の魅力。
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≪参考図書≫
・「牛肉論」 田辺晋太郎(株式会社ポプラ新書、2013年)