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「とりあえず生!」と頼めばすぐに出てくる、キンキンに冷えた大きなジョッキでグビグビ飲める生ビール。でも本当は飲食店で飲むジョッキ生だけが「生」ではないことをご存知ですか? 今回は日本の生ビール事情についてのお話です。
忘日頃からビール党を自負する会社員のAさん。
新宴会や忘年会、親睦会などの社内行事で、幹事さん役を引き受けた時にはいつも最初に、「とりあえず生の人!?」と聞くのが定番でしたし、同僚と会社帰りによく行く居酒屋やビアホールでも、「とりあえず生!」と、まっさきに注文するのが習慣でした。
キンキンに冷えた大きなジョッキに、それを満たす黄金色の生ビール。
のどにグビグビ流し込んで、「プハー、やっぱり生だねぇ!」と、生ビールの冷たいのど越しの気持ちよさを周囲と分かち合ったりするわけです。
もし居酒屋なら3杯目あたりからは、お酌をしてコミュニケーションを深めたいので、瓶ビールに変更。
注ぎ注がれ、のスタイルを愉しみます。
たまに家に早く帰れた日には、奥さんと一緒に缶ビールをグラスに注いでひと息つくことも。
さて、ここまで登場したビアホールでのジョッキに、居酒屋の瓶ビール。
そして、ご自宅での缶ビール。
そのすべてが実はきっと「生ビール」だということを、Aさんは知らないかもしれません。
日本で流通しているビールのほとんどが実は“生”ビールなのです。
ビアホールで出されるビールも、居酒屋で出される瓶ビールも、コンビニで売っている缶ビールも、大手ビールメーカーではタンクを分けて作っているわけではないので、銘柄が同じであれば中身はぜんぶ同じものです。
なぜ味が違うように感じるかというと、ビールのコンディションやロケーションによるものです。
酵母は生き物ですから、ビールは思った以上にデリケートな飲み物です。
製造年月日からの鮮度、運搬時の揺れ方、保管する温度や注ぎ方などによって、味は大きく変わってきます。
多くのビアホールでは、スタッフが常に最高のビールを提供するように、保存方法から注ぎ方まで努力をしていると思います。
いっぽう、それ以外のビールを飲む環境はどうでしょう?
酒屋の量販店なのにお店の奥で常温保存していたり、せっかくコンビニでビールを買ってもビニール袋にゆらゆらと揺られて長い旅をさせたりと、自らビールの鮮度と味を落としてしまっているケースも多いようです。
中身が同じ生ビールでもコンディションによって、味に差がつくのは当然といえるでしょう。
現在の日本では、製造過程で熱処理をしていないビールのことを「生ビール」と呼んでいます。
日本にビールが普及しはじめたのは明治時代の初期。
冷蔵技術が未発達だった当時、ビールを大量に安定供給するためには、熱処理を行って殺菌するプロセスが不可欠でした。
ビール酵母は過発酵になると、ビール全体の味に影響してしまうので、適切なタイミングで働きを止める必要があるのです。
そのため熱処理された大量生産の瓶ビールや缶ビールは、「生ビールではない」とされ、当時は熱処理をせずに鮮度を保って飲めるビール工場付近の酒場で樽から注ぐビールだけが、「生ビール」と呼ばれていたのです。
時代は変わり1967年、サントリーが精密な「ろか装置」を使うことで、熱処理を行わずに酵母菌を取り除いたビールを「生ビール」として発売しました。
酵母菌の入っていないビールを、はたして「生ビール」と呼んでいいのか、という一大論争が起きましたが1979年、公正取引委員会が熱処理を行っていないビールを「生ビール」と定義づけることで論争も終結。
今では日本で流通するほとんどのビールが、ろか装置を使った非加熱の「生ビール」となったわけです。
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参考図書)
・「ゼロから始めるビール入門」小田良司著(株式会社KADOKAWA、2014年)
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