|
ビールの色は麦芽のローストの度合いで決まります。
色の濃いビールは、高温で焦がした麦芽をたくさん使っているので、香ばしさや苦み、コクが強まります。
そのため、濃い色のビールには、煮込みなどの味の強い料理をチョイスすれば、どちらも負けない最強の組み合わせになります。
日本でいちばん普及している黄金色のピルスナーは、合う料理の幅も広く、濃い油や塩気のある食べ物もサッパリとノドから洗い流してくれる爽快感があります。
ペアリング例)
・濃い色系のビール(スタウト、ポーターなど)×すきやき、鰻の蒲焼、煮込みハンバーグ、ビーフシチューなどの濃い料理
・黄金色系のビール(定番のピルスナー、ペールエールなど)×フライドポテト、焼き肉、焼き鳥、BBQ、トンカツ、チキンソテー、から揚げ、カレーなどの油や塩味の強い料理
・色の淡いビール(ホワイトエールなど)×うどん、ポテトサラダ、シーザーサラダなどの淡白な料理
ビールは使った原料によって香りが変わるので、似た香りの料理を合わせるのも相乗効果が期待できます。
ホップは種類によってハーブやスパイス、かんきつ類など、様々な香りがします。
ビールの香りに合わせて、それに近い香りがする料理や、例えば「カラアゲにレモン」などのように、ハーブやスパイス、かんきつ類をプラスするとおいしくなるような料理をチョイスしてみましょう!
ペアリング例)
・柑橘系のビール×カキフライ、カラアゲ、マルゲリータなど
・ハーブ系のビール×お刺身、肉や魚の香草焼きなど
・スパイス系のビール×、フライドチキン、インドやタイの料理など
地ビールやクラフトビールには、地元の素材を使っている商品もあります。
そんな町興しの現場で最近よく使われているのが、「身土不二(しんどふに)」という言葉です。
もともとは難しい仏教用語だったのですが、今では「生まれ育った先祖代々の土地で旬のものを食べると健康に良い」という意味合いで、広まっています。
その国や地域、町など、同じ場所で生まれた素材や料理と合わせてビールを味わうことでテンションも上がりそうですね。
ペアリング例)
・ドイツビール×ウィンナー
・地ビール×地域の名産品
参考図書)
・「うまいビールの科学」山本武司著(ソフトバンククリエイティブ株式会社、2010年)
・「ゼロから始めるビール入門」小田良司著(株式会社KADOKAWA、2014年)
・「ビールはゆっくり飲みなさい」藤原ヒロユキ著(日本経済新聞出版社、2016年)